text by Ishida マスタープラン 前回の本館改修工事が終わった4年後に、研修センターの改修の依頼を頂いた。同じクライアントから再度依頼を頂くのは、前回の仕事の信任を頂いたようで、とても嬉しい。 実は、この依頼をいただく2年前に、高砂教会と1区画挟んだ3階建てのビル(今回の研修センターになる建物)を購入予定で、その間の区画を含む、隣接2区画をどう利用すればいいかアドバイスを求められていました。 以前から、この明るい教会の人々の活動を街にアピールしたいと思っていた私たちは、まだアイディアレベルであったので、少し夢を持った提案をしました。思い切って、教会本館のロビー増築を提案し、研修センターとなる建物との間の敷地をバザーなど屋外活動が行える芝生駐車場としました。また、街区に散らばっている各教会建物を植栽を行うことで繋ぎ、全体がひとつの教会であることを表現する提案でした。オープンな本館ロビーや屋外スペースを介して、教会内の活動が外に外に広がるような仕掛けを作るのが目的でした。 その提案から2年後、研修センターの改修設計依頼を頂いて、久しぶりに教会を訪れた時には、すでにアスファルトの駐車場が完成していました!。若干寂しいものがありましたが、現実的な対処ではあったと思います。 研修センター 研修センターの設計については、私たちが設計に入った段階で建物の主要諸室は、多目的室、牧師室、ゲストルームと決まっていたので、あとは、デザイン的にまとめるだけでした。特に気を付けたのは、主に外観で、通りに面して教会施設が並ぶように増えてきたので、教会本館を中心に全体が調和するようなデザインを心掛けました。 理想の街区
建築家は少し夢想家的なところがあります。そして、ついつい対象を広げて夢想してしまいます。 高砂教会のある街区は、合計12区画くらいの敷地で一つの街区を形成しています。その街区を眺めていると、街区の半分弱が高砂教会の施設であることがわかります。もう、こうなってくると、この街区全てを高砂教会として、大きな教会の地区になればいいのにと夢想してしまいます。ここに、サ高住などの住居、保育園、老人ホーム、デイサービスなどの福祉施設も充実させて、ここで生活を含めた教会活動ができれば、どんなにすばらしいことかと想像してしまう。 |