text by hatanaka シオンの丘キリスト教会の礼拝堂の改修の際には、聖壇の中心となる十字架をどうするかというのは、礼拝堂の形が決まると同じくしてタペストリーのようなテキスタイルだということは思っていましたが、建築家の私たちでさえも最終的なデザインまでは、想像をしていませんでした。 知り合いのアーティストの方に聞いてみたり、織の工芸をやっている方など教えていただいたりした中で、須藤玲子さんがされている布NUNOはどうかという案になりました。以前からNUNOについては、東京の店舗でも見せていただいたり、ヨーロッパでも個展をされたりしていて、また建築家とコラボレーションでいろいろな取り組みをされていることも知っていました。しかし、予算も少ない中で、やってもらえるのだろうかという不安もありつつ、電話で問い合わせてみると、担当の阿部さん(現在は堤さん)が快く大丈夫ですよ~と回答していただけ、ほっとしたことを覚えています。 建築改修のコンセプトとして、私たちが伝えたのは、多くの人が輪のように集まるようなかたちであること、L字に建てた壁と天井からの垂れ壁の間にある光のスリットといったようなものでした。それに対してNUNOの提案は、小さな布が人のように集まり十字架を布の透過性によって浮き上がらせるといったものでした。何種類かのパターンの中から、最終的に現在のパターンを選択し、タペストリーとしての機能的な問題などを解決しながら、NUNOの持っている技法とアイデアとチームワークが、私たちが造りたいと思った空間の中心を生み出してくれたことに、コラボレーションのチームとして、とても楽しい経験をさせていただきました。 布NUNO:https://www.nuno.com/
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