看板デザインについて | 京都シオンの丘キリスト教会

text by Ishida

教会が見つからない！
ある日、牧師先生よりちょっと困ったような感じでご相談を受けました。門扉を改修して良くなったけれど、教会を初めて訪れる方々が、教会を見つけるのが難しいと言われると。この京都シオンの丘キリスト教会は、街から離れた丘の上の集落にあります。確かに知らないと通り過ぎてしまうかもしれません。それで道からでも教会の場所が分かるように、看板をデザインしてほしいという依頼でした。
第一案として提案したのは、普通の看板デザインでした。門扉のデザインとの統一感をとりながら、シンプルでかつ目立つデザインを目指しました。実は正直に言うと、後で考えるとですが、ちょっとこのデザインには違和感を感じていました。一番の違和感は、廻りの環境と合っていないことでした。デザインしている中で、難しかったのは、「京都シオンの丘キリスト教会」と名前が長いことでした。文字を大きくすると看板が大きくなりすぎ、看板を小さくすると文字が読めない。予算もありますが、なにより大きな目立つ看板は、周囲の集落との調和がとれないとも感じていました。
案の定、この案は却下されました。自信をもって提案したものであれば、食い下がる場合もありますが、この場合はすぐに納得しました。

第一案

思い込みを払拭する
第二案をいろいろ考えているうちに気が付いたのは、看板 = 教会名 ということに囚われていた、ということでした。この地にキリスト教会は、この教会しかありません。来ようとしている人は、この教会を目指しています。だったら、そこに教会があることだけが分かればいいのだから、看板 = 記号つまり「十字架」があれば良いことに気付きました。そこまで考ることが出きれば、後は比較的簡単でした。